2013/08/10

signe シーニュ

1ヶ月遅れのバレエのお話です。

カロリン・カールソンがフランス人画家オリビエ・ドゥブレの7枚の絵画にインスピレーションを得て、
ルネ・オーブリーの音楽とともに1997年にパリ・オペラ座に振付けた作品。
装置、衣装ともにオリビエ・ドゥブレ。


初見は2008年7月、
  カデール・ベラルビとマリー=アニエス・ジロのコンビで。
 
L'ESPRIT DU BLEU 青の精神
 美しすぎる2人のアダージョ

完全にその作品世界の虜になり、私の最も好きな作品のひとつとなった。
その後、DVDで繰り返し見ている。


MONTS DU GUILIN ギランの山々 

ため息が出てしまうほど綺麗な衣装、装置、ダンス、音楽。
もう全てが完璧なのだ。
このパートは30年代を思わせる衣装と流れるような展開から、
バスビー・バークレー振り付けの映画「流行の王様」(34) Fashions of 1934 を思い出させる。

 LES COULEURS DE MADURAI マデュレの色彩

この作品に夢中になってしまった理由のひとつ、
ダンス・音楽・装置の流麗な移り変わりと小気味よいテンポが
心地よくもあり、ドキドキの興奮でもあり。

 VICTOIRE DES SIGNES シーニュの勝利

最後の7番目の絵で、鳥肌は最高潮に。
この時は、カデさんのアデュー(引退公演)でもあったので、
余計に印象深く心に残っているのかもしれない。


 そして、今年の7月。
最初の SIGNE DU SOURIRE 微笑みの兆し のキャンバスがとても印象的で好き。

 今回は、我がルテステュと彼女の相手役としてお馴染みのステファン・ブリヨンの2人で。

 最初はピンと来ない感じがしたけれど、だんだんとこのコンビのシーニュが見えてきた。

 ジロの力強さはないけれど、ルテステュの女性らしさが
とても上手に出ていて、違った良さがあった。
また、表情もユニークで(本来の姿(^^)(実は面白い人なんです))、
コンテンポラリーならではの新鮮さも感じられた。



  SIGNE DU SOURIRE 微笑みの兆し

男性の艶が非常に巧く現れている。
振り付けにおけるカロリン・カールソンの、舞踏におけるベラルビの、
お互いが醸し出す官能性が結びついた結果かもしれない。

ブリヨンはベラルビと比べてしまうとどうしても、鋭さ、切れ、色気が足りない気がしてしまうけど、
ルテステュと組み始めてから初めてこの作品で男らしくかっこよく見えた。
今後も楽しみなひとりだ。
それにしてもカデさんははまり役だったなぁ。

バレエ・リュスの雰囲気漂う LOIRE DU MATIN 朝のロワール川

 導入部と、最後にリプライズされるコレグラフィーの鮮烈な抒情性。


10月に引退を控えるルテステュ・・・最後に彼女のシーニュを観れてよかった。
初演のマリー=クロード・ピエトラガラ、カデール・ベラルビでも観たかったな。。。

そしてカーテンコールでは、なんとカロリン・カールソンが登場!
70歳には見えない軽やかさ。

ブラボー!