久しぶりにバレエのことです。
交響曲第3番。グスタフ・マーラーの交響曲の中でも最長の作品で、演奏時間は100分にも及び、
オーケストラ団員の他に合唱団、児童合唱団、ソロ歌手も参加する超大作。
そんな大作にジョン・ノイマイヤーが、ハンブルグ・バレエの芸術監督に就任した
翌年に振り付けたシンフォニック・バレエで、彼の代表作のひとつ。
彼のコリオグラフィーには、モダンさ、上品さ、知的で哲学的なセンスがあり、
そこが私が彼に惹かれる点。
「昨日」、「夏」、「秋」、「夜」、「天使」、「愛が私に語るもの」の第6楽章から成り、
特に後半の3楽章は、昨年2月に念願かなって観ることのできたモーリス・ベジャールの
“CE QUE L'AMOUR ME DIT (愛が私に語りかけるもの)” とも重なり、感動した。
自然界の声が一つとなった壮大なシンフォニーとコリオグラフィー、
マーラーとノイマイヤーの才能が融合した芸術作品。
この作品を初めて観たのは2009年4月のこと。
パリ・オペラ座の演目にレパートリー入りした、同団員による初演時で
あまりの素晴らしさにドキドキしたのを思い出す。
当時の日記を読み直そうと探してみたら、書いていなかった。
ちょうど忙しい時期で時間がなかったみたい。
主役のニコラ・ル・リッシュは円熟の演技で観客を魅了し、
実生活のパートナーでもあるクレールマリー・オスタとの相性も抜群だった。
天使役のオスタが自然に醸し出すオーラと踊りは、まさに天使そのもの。
人間を優しく包み込んでくれる、天上界(異世界)から舞い降りてきた女神。
音楽、振り付け、ダンサーたちに圧倒されるあまり、2時間弱の上演もあっという間。
興奮冷めやらないまま、帰途に着いた。
そして今年5月に再び。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjnulIZ9gvYBRKfEnEumy9wZz8d8atZP55p2pcXGjVj5aJBbtj-DEOQ7Ju9cHpwauimQz8REdRl4oQZ3og6sOjGCBtCAjIoeDXLGX2i9yUdWBNX4zUfXUENO_e9VFx1u_OHhu7N-RCiFWQ/s400/DSC05913.JPG)
今回の主役を演じる1人、フローリアン・マニェットは素晴らしかった!
物腰の落ち着いた演技は強い表現力となり、
次世代を背負っていくエトワールに値するのでは、と感じた。
この日の天使役はドロテ・ジルベール。
若手実力派のエトワールだが、経験が少ない分、少し物足りない感じがしてしまった。
イザベル・シアラヴォラの天使はよかったようなので観てみたかったな。
そして第4楽章「夜」で、高度な振り付けを完璧なダンスで魅せてくれた、
我がルテステュ(^^)。
いろいろな面で昔のダンサーと比較してしまうのは歳のせいかな・・・とも思い、
自分と同世代のダンサーたちが次々と引退していくのは寂しいものだけど、
若手が育っていくのを見守るのも楽しみだ!