2013/06/25

TROISIEME SYMPHONIE DE GUSTAV MAHLER マーラー交響曲第3番

久しぶりにバレエのことです。
交響曲第3番。グスタフ・マーラーの交響曲の中でも最長の作品で、演奏時間は100分にも及び、
オーケストラ団員の他に合唱団、児童合唱団、ソロ歌手も参加する超大作。


そんな大作にジョン・ノイマイヤーが、ハンブルグ・バレエの芸術監督に就任した
翌年に振り付けたシンフォニック・バレエで、彼の代表作のひとつ。
彼のコリオグラフィーには、モダンさ、上品さ、知的で哲学的なセンスがあり、
そこが私が彼に惹かれる点。

「昨日」、「夏」、「秋」、「夜」、「天使」、「愛が私に語るもの」の第6楽章から成り、
特に後半の3楽章は、昨年2月に念願かなって観ることのできたモーリス・ベジャールの
“CE QUE L'AMOUR ME DIT (愛が私に語りかけるもの)” とも重なり、感動した。

自然界の声が一つとなった壮大なシンフォニーとコリオグラフィー、
マーラーとノイマイヤーの才能が融合した芸術作品。


この作品を初めて観たのは2009年4月のこと。
パリ・オペラ座の演目にレパートリー入りした、同団員による初演時で
あまりの素晴らしさにドキドキしたのを思い出す。
当時の日記を読み直そうと探してみたら、書いていなかった。
ちょうど忙しい時期で時間がなかったみたい。

主役のニコラ・ル・リッシュは円熟の演技で観客を魅了し、
実生活のパートナーでもあるクレールマリー・オスタとの相性も抜群だった。

 天使役のオスタが自然に醸し出すオーラと踊りは、まさに天使そのもの。
 人間を優しく包み込んでくれる、天上界(異世界)から舞い降りてきた女神。

 
音楽、振り付け、ダンサーたちに圧倒されるあまり、2時間弱の上演もあっという間。
興奮冷めやらないまま、帰途に着いた。


そして今年5月に再び。

今回の主役を演じる1人、フローリアン・マニェットは素晴らしかった!
物腰の落ち着いた演技は強い表現力となり、
次世代を背負っていくエトワールに値するのでは、と感じた。
この日の天使役はドロテ・ジルベール。
若手実力派のエトワールだが、経験が少ない分、少し物足りない感じがしてしまった。

イザベル・シアラヴォラの天使はよかったようなので観てみたかったな。 

そして第4楽章「夜」で、高度な振り付けを完璧なダンスで魅せてくれた、
我がルテステュ(^^)。

いろいろな面で昔のダンサーと比較してしまうのは歳のせいかな・・・とも思い、
自分と同世代のダンサーたちが次々と引退していくのは寂しいものだけど、
若手が育っていくのを見守るのも楽しみだ!